再生始動
市民が集まり「廃線とトンネル群の再生活動」がスタート。藪(やぶ)を切り裂き道なき路を作り自然に埋もれた“廃線の発掘”と文字どおり探検もどきの活動が始まった。長年の間放置された廃線には直径30センチを超える樹木が育ち、5人で1日5mも進めないほど獣道もない鬱蒼(うっそう)とした藪に遮られていたが、愛知県側の廃線1.7キロを整備したことをきっかけに市民にも触れてもらおうと2008年「再生現場見学会」を開催した。その後、毎年春と秋の限定で5日間程度の特別公開を実施し、近年は全国20都府県や海外から年間3万人近い入場者が訪れている。
反響
調査の結果、現存する明治期のレンガ製隧道としては国内最多を誇る規模であることが判明、また経済産業省の「近代化産業遺産 続33」(8.山岳・海峡を克服し全国鉄道網形成に貢献したトンネル建設等の歩みを物語る近代化産業遺産)に選定されるなど、小さな地域の小さな市民活動が一躍脚光を浴びている。