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 春日井市玉野町 愛岐トンネル群 tamano_2nd

  愛岐トンネル群 
  愛岐トンネル群 登録有形文化財(建造物) 2016.7.15
 旧国鉄中央線愛岐トンネル群の3号トンネル,4号トンネル,笠石洞暗渠の3点を登録有形文化財にするよう文部科学相に答申された。 2016.7.15 17:00報道発表
         文化庁http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2016071502.html

 名称          建設年代  種別   基準
 ■愛知県春日井市
 旧中央線玉野第三隧道  M33  土木交通  3
 旧中央線玉野第四隧道  M33  土木交通  3
 旧中央線笠石洞暗渠  M33S32  改修土木交通  3
 きゅう ちゅうおうせんたまのだいさんずどう
 きゅう ちゅうおうせんたまのだいよんずどう
 きゅう ちゅうおうせんかさいしほらあんきょ

 特徴等:庄内川沿いの渓谷地を走っていた中央線旧線の隧道(ずいどう)群。官設鉄道の標準例に則った
 単線仕様の馬蹄(ばてい)形断面を持つ。煉瓦(れんが)造で,要所には笠石などで装飾を施す。

 建設年代:Eは江戸,Mは明治,Tは大正,Sは昭和,Hは平成の略。
 種別:土木は土木構造物,工作物はその他工作物の略。
 基準:1は国土の歴史的景観に寄与しているもの,2は造形の規範となっているもの,3は再現することが容易でないもの

愛知県分はとしては、他に2点が答申された。
 愛知県津島市 旧堀田廣之家住宅主屋M45
 愛知県知多郡武豊町 中定商店大五蔵

 2016.11.29
 号外第 263

平成28年11月29日火曜日

官 報

(号  外)


告  示


文部科学省告示 第百七十四号

 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第五十七条第一項の規定に基づき、平成二十八年十一月二十九日付けをもって次の表に掲げる有形文化財を文化財登録原簿に登録したので、同法第五十八条第一項の規定に基づき告示する。

  平成二十八年十一月二十九日     文部科学大臣 松野 博一  

  名称   

  構造及び形式   

  所在地  

旧中央線玉野第三隧道

煉瓦造、延長七六メートル、幅員四・六メートル

愛知県春日井市玉野町字東谷一六六四−一他

旧中央線玉野第四隧道

煉瓦造、延長七五メートル、幅員四・六メートル

愛知県春日井市玉野町字東谷一六六七−一他

旧中央線笠石洞暗渠

煉瓦造、延長一一メートル、幅員一・二メートル

愛知県春日井市木附町字隠山ニ三九−二

2016
 概要
旧中央線 玉野第三隧道 煉瓦造、延長76m、幅員4.6m、建設年代 明治33年
旧中央線 玉野第四隧道 煉瓦造、延長75m、幅員4.6m、建設年代 明治33年
旧中央線 笠石 洞暗渠 煉瓦造、延長11m、幅員1.2m、建設年代 明治33年、昭和32年改修

旧中央線(現JR東海)は、明治 25 年(1892)6月21日制定の鉄道敷設法により、名古屋と美濃・信州を結ぶ路線とされた。高蔵寺 −多治見間は、庄内川沿いに建設することなり、明治29年(1896)に工事着手した。明治33年(1900)、名古屋−多治見間が開業し明治42年(1909)に中央線が全通すると、物流に大い貢献した。昭和41年(1966)、名古屋−多治見間の複線電化完成によって、定光寺・古虎渓間の急曲線と単トンネル続く区間は、別ルートの新線を建設することになった。 新線に切替わり、旧線区間は廃線となった。 現地には隧道・暗渠・橋台・落石防護柵・擁壁など多くの施設が廃線時のまま残存 している。
旧中央線玉野第三隧道は、JR旧中央線定光寺駅から庄内川沿いに多治見方面へ約400m地点にある。川の斜面にほぼ並行して掘られたが、急峻で脆弱な地盤のため、工事中に崩落故が発生するどなど難工事であった。
 延長76m煉瓦造の躯体で、断面形状は「隧道定規」(明治31年(1898)8月10日付)で標準断面に定められた明治期の鉄道トンネル標準的形態(単線非電化区間を中心に多用)が用いられ、馬蹄形で築造されている。内部には待避所、側壁に腕木信号操作ワイヤー掛け金具が残っている。道床には最大で約90cmの残土が盛られており、内壁の保存状況は良好である。坑門及び内壁に補修 の跡が見られず、建設時原形を保っている。 の跡が見られず、建設時原形を保っている。 の跡が見られず、建設時原形を保っている。 の跡が見られず、建設時原形を保っている。 の跡が見られず、建設時原形を保っている。 の跡が見られず、建設時原形を保っている。
 旧中央線玉野第四隧道は、JR中央線定光寺駅から庄内川沿いに多治見方面へ約800m、第三隧道から約400mの地点にある。第三隧道と同じ悪条件下の難工事であった。
 延長75m煉瓦造を基本とした直線状の隧道で、断面形状は第三隧道と同じように「隧道定規」 に則り馬蹄形で築造されている。煉瓦造の坑門は壁柱1、笠石2などの石積装飾を備えた官設鉄道用隧道の特徴を示している 。西坑門上部には煉瓦造擁壁が設けられている。東坑門上部にはレールを再利用した落石防護柵が、山側法面はコンクリート造擁壁やその上部にレールを再利用した落石防護柵が施されるなど、保線工事の歴史を垣間見ることができる。
 旧中央線笠石洞暗渠は、中央線建設に伴い、地中に埋設された水路である。JR央線定光寺駅から庄内川沿いに多治見方面へ約1,100m、第四隧道から約300mの地点にある。線路盛土で築堤した際に、沢の水を通すため設けられ。煉瓦造アーチ構暗渠と立坑かなる。昭和32年(1957)の集中豪雨で土砂が流れ込み、沢埋まり暗渠も没した。その復旧工事では、内部の土砂を取り除き、煉瓦造立坑上コンクリートで継ぎ足し 内部の土砂を取り除き、煉瓦造立坑上コンクリートで継ぎ足し 内部の土砂を取り除き、煉瓦造立坑の上部をコンクリートで継ぎ足して、煉瓦造暗渠と立坑を復活させた。
 煉瓦造の立坑下部及び暗渠は、建設時の原形を保ち、コンクリート造の立坑上部は、昭和32年当時の鉄道施設災害復旧技術水準を表し、明治33年(1900)の鉄道開業から廃線まで歴史を刻んだ産業遺産である。

壁柱1:坑門の強度を上げるため柱。 装飾的な役割も大きい。
笠石2:最上部を飾る。 装的な役割や水切りどの目がある。
   
4号トンネル多治見側
 
2016.7.21撮影
3号トンネル高蔵寺側                     3号トンネル多治見側
 
2016.7.21撮影
暗渠山側
 
2016.7.21撮影
暗渠川側

2016.7.21撮影
暗渠山側
 
2016.7.21撮影
3号トンネル多治見側
 
2016.7.21撮影
 
 
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